異変
異 変
文字が読めない。何てことだ、それは一瞬の出来事だった。
気分転換にと新聞を手に取り、広げ見ようとした瞬間、
少年はその紙を払いのけた。
正確には、文字そのものが認識できない、とでも言うのだろうか。
その直後少年に襲い掛かる頭の中の異変、
頭の中にあるはずのない輪っかに締め付けられているような・・・
いや、宇宙人に直接頭の中を攻撃されているような・・・
少年は頭を抱えうずくまる。
苦しみと意味のわからない現実に、恐怖で涙すらでない。
数時間後、母の木が少年のもとに帰ってきた。
と同時にまた襲い掛かる頭の異変。
少年は母を呼び泣きながらこう言った。
「頭 が お か し く なった・・・」
気が動転するとはこのことか?泣きじゃくる少年、
訳もわからずなだめる母。
少年の両手と両足がしびれはじめていた。
~第一章~